2011/03/13

The thin, true line.

阪神淡路大震災のとき札幌にいたワタシは、何人かの旧友の安否を知る術を持たず、ただ祈ることしかできなかった。一方、そのとき働いていた職場で「募金でも何でもいいから何かできないか」と経営者に提案したが、軽く一蹴された。TVと新聞の報道を見ながら、一種のもどかしさと無力感にとらわれたことを覚えている。

今回の大災厄において、その規模とはうらはらに我々が一種の連帯感に包まれているのは、あのときに学んだ教訓によるものが大きいだろう。それに加えて、情報の持つ力を皆が理解し、使いこなしていることが大きいように思う。ITテクノロジーは、ときに国家を動かし、ときに人命をも救う。この事実を疑う余地は、もはやない。

状況は依然として油断ならない状態にある。幸いにして被災しなかった我々の日常生活にも、じわじわとプレッシャーが振りかかるだろう。しかし、決して一人だけで闘うわけではない。モニターの向こうには、同じ想いを抱えた誰かが、必ずいる。きっと誰かがその想いを受け止めてくれる。そう信じるに足りるだけの力が、この手に宿っている。

2011/03/12

無事です

昨日、新宿の職場を定時きっかりに出て、2時間半かけて徒歩で帰ってきました。その後、夜の買出し、TVとTwitterによる情報収集・提供を行い、MacBook AirとワンセグTVを起動したまま4時間ほど寝ました(ちなみに睡眠前に飲むよう指示された処方薬を飲むと、4時間は絶対に目が覚めないので、当面は飲まないようにします)。

夜が明けてゆくのとだいたい同じくらいの時刻から、ちらちらとTV画面を見ながら情報収集と提供を続行し、10時きっかりに買出しへ出かけて必要物資を追加購入、現在に至ります。今後、電気の使用をできるだけ控えるなど縮退運転しつつ、引き続き自分のできることを行っていきます。

被災した皆様に、心よりのお見舞いを申し上げます。

2011/03/10

最大公約数 vs 最小公倍数

いつからだろう。3/9と8/31は、我々にとって特別な意味をもつ日になった。その場に立ち会い同じ時間を共有できた幸運を、まずは素直に喜ぼう。もうハッキリ言っちゃうよ。ミクパ、ムチャクチャ楽しかった!次もチケット取れたら絶対行く!でも北海道の5/3の追加公演は、ひとりでも多くの道民にこの興奮を体験してもらいたいから、敢えて行かない!

…と、頭を多少クールダウンさせつつ、ライブレポートをまとめておく。

今回のアクトを一言で表すと、「最大公約数的なアプローチで構成されたパフォーマンス」。各論はそれこそ某巨大匿名掲示板のログやTwitterの「#mikupa」ハッシュタグ等を追えば、皆が書いてくれてるので置いておく。というか、ボーカロイドを取り巻くシーンは、この1年間で自分たちが想像しているよりも遙かに大きくなっていることを、特に古参のボカロ廃ほど自覚しておく必要があるだろう。それは上記のログの量やツイート数といったもので端的に把握できるが、そこに書かれている意見や捉え方の多様さもまた、ここまで成長を遂げたシーンの一部として許容すべきものだ。古参がお気に入りの曲を期待するのと同様に、Project DIVA Arcadeでボカロにハジメテ触れた「Pってなあに?」的なライトユーザーも、自分の知っている曲を唄ってくれるのを(たぶん古参ボカロ廃以上に)今か今かと期待しているのだ。そういう状況をできるだけ遠くから俯瞰して、「皆がハッピーになれる解」を提示したのが、今回我々が目にしたものだったのだと思う。

んじゃあその逆の「最小公倍数は何よ?」ということになるが、端的に言えば去年のライブであろう。あれはおそらく、スタッフの中にいる極度のボカロ廃のひとりが、「自分はこういうステージが見たいんだ!」という内なる欲求に基づいて組み立てたものだ。それゆえ「一種のインスタレーション」とも形容できうる、先鋭的なヴィジョンを提示できたのだ。でなければ、あの選曲とあの光景の説明がつかない。だって「ハジメテノオト」アカペラバージョンが一発目だよ?誰も予想してなかった「Innocence」を持ってきたんだよ?二次元と三次元をリアルタイムで行ったり来たりしてたんだよ?

ただし、これらを比較するのはあまり意味を持たないということには、充分に注意を払っておくべきだろう。あくまでも捉え方や切り口の違いであり、両者ともにシーンの一断面である。何?お気に入りの曲がかからなかった?ならば自分でクラブを借りてイベントを立ち上げればよい(都内ならV_NMOGRAに行ってみるのもオススメ)。もっと派手な演出を見たかった?じゃあ皆に声を掛けてMMDでムービーを作って上映会を開けばよろしい。輪の中に入って行動を起こさなければ、何も見えないし何も聴こえない。むしろこの状況を手玉にとるくらいの勢いで、アクティブに動いた者たちこそが楽しめる。良いか悪いかなんて今は誰も分かっちゃいない。だから自分はこの命の続く限り、このシーンに関わり続けることを決めた。なあに、一度腹をくくっちゃえば楽なもんよ。やり方はいくらでもある。今からでも全然遅くないよ。何なら案内するよ?