2013/05/02

「底辺ボカロP」について

この記事に反応するか悩んだけど結局Twitterで反応してしまったので、ツイートしなかった部分をもう少し掘り下げておく。

先の記事ではいきなり基準の話を持ち出しているが、その前に「底辺とは何か」を考えておかねばならない。ボカロPに対して誰かが底辺という言葉を持ち出すとき、階層化された社会構造、例えばスクールカースト的なものをイメージしていると想像する。よって、ここでは「底辺ボカロP」を「ニコニコ動画の投稿者集団が形成する階層構造において、何らかの尺度により最下位の層と位置づけられている、ボーカロイドオリジナル楽曲の制作者」と定義する。また便宜上「ニコニコ動画の投稿者集団が形成する階層構造」を「ニコ動ヒエラルキー」と記す。

この定義が正しいと言うためには、いくつかの点を明らかにする必要がある。例えば以下:

  • 底辺という単語がニコ動ヒエラルキーの存在を前提として用いられているか
  • そもそもニコ動ヒエラルキーはほんとうに存在するのか
  • ニコ動ヒエラルキーが存在する場合、どのように発生し、どのように推移し、どのような現状なのか
  • ニコ動ヒエラルキーを決定する尺度として、再生数・コメント数・マイリスト数を用いることは適切か
  • ニコ動ヒエラルキーを形成する力は、作品によってのみ発生するのか
  • ニコ動ヒエラルキーと、制作者の知名度や言動、作品の量と質と属するジャンル、各種ランキング掲載実績の有無、ニコニ広告のボリューム、Twitter等のSNSを利用したバイラルマーケティング、視聴者の分布とアクティブな視聴時間帯等は、どれくらい関係があるのか
  • ニコ動ヒエラルキーは、ボカロのライブラリ種別、ニコ動というインフラ・アーキテクチャ、動画というフォーマットから、どの程度の影響を受けるのか
  • ニコ動ヒエラルキーは今後どのような方向へ向かい、その対応として底辺ボカロPはどのように行動すべきか

…いくらでも出てくるので飽きた。結局のところ、底辺なるものを理解するためにはニコ動ヒエラルキーの正体を徹底的に解明しなくてはいけない。これではあまりにも広範囲すぎるので諸々をすっ飛ばし、先のブログ記事から拝借して、再生数だけを基準にした場合に底辺とされるボカロPに対する私見を述べるにとどめる。

ニコ動の再生数が動画へ実際にアクセスした時点でカウントされるのか、それとも再生開始時か、または再生を完了した時なのか、ワタシは詳しく知らないのだが、どれも視聴者の行動によって発生するのは変わらないので、このへんをどう捉えるかによって底辺の判断基準が変わると思う。作品へアクセスさせる力が弱いなら、記事の通り「サムネ」やタイトルのインパクトが小さい、また、広い意味での宣伝活動が実っていないと言えるだろう。再生を開始させる気を起こすことができないのは、例えばデータの容量が大きすぎたり、投稿のタイミングがニコ動の混雑や何らかの祭にぶつかってしまうなどして、「動画」を読み込むことができず視聴者が諦めて離れていくケースが考えられる。作品を最後まで視聴してもらえずに終わってしまった場合は、「曲」の内容か、それ以外の何らかの要因が作用したのかもしれない。

…飽きてきた。いずれにせよ再生数は視聴者の行動によってカウントされるもの(という建前)なので、「動線」を考慮せず作品をこね回すだけで数字を狙うのは徒労に終わる可能性がある。ものすごく酷い言い方をすると、「底辺ボカロP」とは「他人を知ろうとしない制作者」なのかもしれない。

以上から「底辺を脱出するにはまず友達を作りましょう」的な結論を導きだすのは安易に過ぎる。先に注目すべきは「ニコ動の視聴者が誰で、どのような行動をしているか」である。つまり、画面の向こう側にいる人間をじっくりと観察する必要がある。自分が試していないので想像なんだが、例えば、ぼかうたらんを毎週欠かさず最後まで見てコメントを眺めるだけで、ある程度は推測できると思う。そのなかで自分の趣味嗜好や傾向に近いと思われる作品のファンの言動を追っていけば、いずれ自分に足りないものや自分がすべきことが浮き彫りになるんじゃなかろうか。

…やっぱり飽きた。なんでこんな説教めいたテキストを書かねばならんのだ。そう感じる理由を背理法的に考えると、冒頭の定義が誤りであると自分が感じているからである。つまり底辺うんぬんの話に最初から興味がなくて気が乗らないのに無理して書いてるからだ。ツマンネ。やめやめ。





…いつもならこの調子でオチを適当につけて終わりにするんだが、さすがに無責任すぎるのでアドバイスをひとつ。ボカロノビスに掲載される作品はロングテール式に注目される傾向があるようなので、観察対象を手軽に発見するのに向いていると思う。ちなみにボカロノビスbotちゃんの最近のお気に入りはこちら。「だって肝心なのは戦略だから」だそうです。