2015/03/15

「最高にロック」の意味をちょっと考えてみた

TwitterのTLを眺めていて時おり目にするフレーズ
「○○が××したのって最高にロックだった」
が何となく気になるので何となく調べてみた。

まず安直だがGoogle先生に「最高にロック 意味」で問い合わせた結果がこちら。その中にある上記のような用例を軽くまとめたものはこちら。一概には言えないが驚きのほかにウケ狙いや皮肉や自嘲も含まれているような複雑な印象を持つ。

先ほどのGoogle検索の結果中に英語のスラングとしての "rock" を解説している記事がこちらこちら。そちらでは「最高」「とても良い」という意味でよく使われていると書かれている。 "awesome" に近いとも。そして当然のごとく音楽ジャンルの rock や rock and roll にも触れられている。まあ納得ではある。

ここで気になるのが日米での意味の逆転…とまでは行かないにせよ日本では「ロックだ」という比喩がかなり捻くれた使われ方をしているように思われること。この理由を考えるとたぶん文献を何冊も読まないといけなくなるのであっさりと終わらせるよう心がけつつ以下を書き進める。

「ファンキー」という言葉はほとんど死語に近いが元は音楽ジャンルの funk から来ている(はず)。今風に表現すれば「ファンクっぽい」「ファンクだ」になる。逆に「ロックだ」が日本における音楽ジャンルのロックから来た言葉だとすると「ロッキー」とも言い換えられる…訳ではないのはあの有名な映画があるから。ともかく、「ファンキー」と「ロックだ」はその音楽ジャンルの属性や性質を用いてものごとを形容する際に転化して使われているようである。余談だが「クラシック」は「クラシカル」、「ジャズ」は「ジャジー」として使われるけど「フュージョン」や「テクノ」「メタル」等をこういう風にほとんど用いないっぽいのはちょっと興味深い。

さてここで注目すべきは「ファンキー」がその音楽ジャンルの成立からほぼ一貫して同じありさまを指してるように感じられる一方、「ロックだ」が日本におけるロックの広がりと位置づけの変遷によって多義的な意味を獲得していながら「ロックだ」の一言で強引に丸められてしまっているように思えること。また、(21世紀においても)いまだJ-POP文化のただ中にあって、そういう「ロック」を理解して英語のスラングと同様に「最高だった」という意味で使っている人がどれだけいるのかということ。

ここから先は日本や海外のロックやロックフェスの歴史とか現在活動しているロックバンドのポリシーとかスタンス等、そしてリスナー層の厚みや嗜好、果ては「ロックとは何か」という約半世紀にわたる戦争の推移と現況などを詳しく調べないといけない感じだが、知識的には全く弱い部分なので詳しい誰かにバトンを渡したい気分。ただ、特に若い人たち…例えばSEKAI NO OWARIのリスナーが「最高にロックだった」と発言したとき、どのような文脈と意味で用いているのかはちょっと注目してみたい気がする。

「さっき『最高にロック』って言ったけどそれってどのバンドのどの時期の状態を指して言ってるの」みたいなウザ絡みは絶対しないけどね。