For short, " I. M. G. D. "
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2015/04/09

処方薬の話

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別に怪しいドラッグの類は取り上げない。それと薬の種類と量を具体的かつ得意げにペラペラ話す奴は個人的に信用できないというポリシーがあると前置きしておく。

自分は睡眠障害ではないかと疑って定期通院を始めてから10年近く経つ。入院検査の後に睡眠導入剤と鎮静系の薬を処方してもらって1年ほど経った後、抑うつ症状が強くなったということで処方が丸ごとひっくり返って薬量が倍増し、さらに様々な種類の薬を数ヶ月単位で取っ替え引っ替えすることになって1年ほどでほぼ快方に向かった。

そこから数年経って今度は自律神経がやられたらしく日替わりで体調とメンタルが安定しなくなり、カウンセリングを受けながらそのときの症状に合わせて処方を変えてもらって、ついでに民間療法的なものもあれこれ試して現在に至るが完治にはまだ遠い状況である。

便利な世の中になって処方薬のリストからネットで効用と副作用、服用時の注意などは全て分かるんだが、ワタシ個人はできるだけそれを見ないようにしている。特に副作用と服用時の注意を気にしていると何も飲めなくなるような危険なことが普通に書いてあるので、病気を治しているのか薬物中毒に片足を突っ込んでるのか分からなくなってしまうからだ。一時期それ自体にウンザリして主治医の指示を無視して薬を飲まなくなったことがあるが、言うまでもなくこういうド素人の判断は往々にして危険な結果を招くので絶対にマネをしてはいけない。実際にその期間は病状が改善するどころか悪化したのは確かであるし。

ともかくここ数年は様々な処方薬を一般の方々よりは間違いなく多量に毎日服用している身だが、勝手な断薬は論外として他にもめんどくさいことが多くて困る。処方が変わって新しい薬を飲むときは少し緊張する。特に新しい睡眠導入剤は前後不覚になってコケたり夜間にトイレの場所が分からず部屋の中をさまよったりした経験があるので慎重になる。またアルコールや他の一般的な風邪薬・頭痛薬等を同時に飲むのも本来は避けた方がよいはずなんだが、酒を飲みたい気分の日はあるし飲み会に出る機会も(以前より減らしたとは言え)あるし、どんなに気をつけていても風邪は引くし頭痛も起こるので、そういうときは数日後に干からびた姿が発見されたらそれまでと覚悟を決めてそれぞれの薬を鼻をつまんで飲むことはある。

上記のような生活を今まで続けてきてぶっちゃけ大量の処方薬だけで中毒になるんじゃないかと思うこともあるが、医師の処方に従って症状に合わせて減薬していけば後遺症はそれほど出ないらしい。処方薬を変えた際の極端な言動の変化も以前ほどではなくなったので、身体が薬に慣れたということはあるのかもしれないが。経験的に言っても神経系やメンタル系の薬物治療は安定さえしてしまえば処方薬の量は減らせるわけで、他の慢性疾患の治療…定期的な入院や手術を含む…を考えれば副作用も目立たず確実にマシな部類に入る。実際、こんな文章を書けるほど自分自身の状態に自覚的になれてきたのが快方に向かっている証拠だと思う。少なくともこの数年間は精神的にも身体的にもそんな気になれなかった。目の前の錠剤の山を見てもずいぶん落ち着いたもんである。

余談ながら他の病気、特に生命に関わる重篤な疾患で先進医療の外科・放射線・薬物等による治療を拒否して俗に言う民間療法を選択する方がいらっしゃるようだが、それは(ワタシが一時期勝手に断薬したように)個人の判断なので外野からとやかく言う性質のものではないと考えている。スティーブ・ジョブズに早期の手術を受けさせることが誰もできなかったように、最終的には本人の意思によるものなので誰も責められないであろう。仮に選んだ療法が詐欺的であったとしても、余命が少々短くなるだけである。ただし、これだけは自分自身の経験として言っておく。現代医学の水準を馬鹿にしてはいけない。少しでも長く生き残りたければ数年前に常識と言われていたようなモノの見方は捨て去って、実績があり信頼もできる医師の所見を素直に聞くべきである。それともうひとつ。健康診断・人間ドックは定期的に受けること。早世した方を悼むなら、あなたにはその義務があると考えてよい。自覚症状がない状態が最も恐ろしいのだから。
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