2016/10/17

「響け!ユーフォニアム2」深読み:第二回

前置き:何をどう工夫してもネタバレは避けられないし、そもそも自分が考えてることは明らかに他の皆さんと違っちゃってるようなので、まだ見てない人はもちろん既に見た人も含め、作品を素直に楽しみたい方は、この記事の存在を忘れてください。ただの感想文とか楽しい感じには絶対にならないので、そういうのを期待してる人は読まないでください。

警告おしまい。あとは好き勝手に書く。レッツプール!!







さて第二回「とまどいフルート」について。第一回と比較して明らかに動画の枚数は減ってる一方でアニメ演出技法の見本が詰まったような回になってると感じたんだけど、個人的に最も強烈だったのは以下のカット。


この「実写だと普通に撮れるけどアニメにするととてもめんどくさい」パノラマ写真的な絵面は湾曲パースなどと呼ばれているらしく詳細はチンプンカンプンなんだが、一点透視図法で描いた横長の背景を然るべきソフトウェアでこんな形に出力したのかなあ。よく分からんという人は「GoogleマップのストリートビューやRICOH THETA的な映像表現が使われてる」くらいで理解しておいてください。

上記の例は極端だけど、他にも1期ではあまり気にならなかった「空間にこだわった」っぽい立体的な背景描写が散見されて、先日書いた「ステディカムで撮ったような映像表現」なども含めて妙な生々しさがにじみ出ている。見てると30分があっという間に過ぎてしまうと感じるのは、話の進行や場面転換が速いだけじゃなくて、こういった「体験映像的な表現」の密度が高くて息継ぎができないのも一因だと思う。他にもプールの水面がいちいち揺らいでるのとか、どう考えてもヤバいでしょ…。




次。眼の芝居。さんざん笑いを取ったあとでグサリと刺しにくるあたり、石原監督も性格悪い(笑)。





その鎧塚みぞれ先輩、寡黙ではあるが性格は至って真面目なようで、おそらく水平垂直とか気にするタイプ。


久美子の発言に対して「仕方ない?」と食ってかかるみぞれ先輩の口調は、1期で麗奈が言った「かっこいい?」というセリフと重なる。久美子の失言癖は逆説的なコミュニケーションツールとして作用しているようである。


余談。現時点での主題である希美先輩とみぞれ先輩の因縁(?)は劇中で少しずつ描かれてるので置いといて、「(府大会で)金を取るために進学するなら、当時は落ちぶれていた北宇治高校ではなく他の強豪校を選ぶべきだったのでは」という、もっともな指摘について。府大会で金を取れなかったから立華高校等から推薦をもらえなかった的な話は現実的だけどさすがに夢がないので(笑)、彼女たちはあえて北宇治高校を選んだという別の角度から妄想してみる。ひとつめの理由は地理的要因。端的に、北宇治高校は南中から近い場所にあるんじゃなかろうか。ふたつめは北宇治高校吹奏楽部の過去の実績。希美先輩が何らかのきっかけでそれを知って行こうと決めてしまったのかも。もうひとつは…北宇治高校吹奏楽部に存在が際立つ誰かがいて、バカ正直な希美先輩はその思慕ゆえに他の進学先を最初から検討しなかったという可能性。その誰か…あすか先輩がどこの中学の出身なのか劇中では明かされていないけど、希美先輩が彼女を「特別」と評する言葉の重みは、高校のたった1年半程度で醸成されたものではないように感じる。その想いは、「希美先輩に手を引かれて」同じ進路を選んだみぞれ先輩の心境にも何かしらの影響を与えているだろう。

…以上をぐるりと見渡すと、みぞれ先輩の回想として描かれるこのカットがとても重く切ないものになる。通称ダメレンズ描写や3DCG的な空間表現などはあくまでも手段であって目的ではないというのを再認識されられてもいるのだが…。


その他、なぜ石造の構造物が目立つプールホールが多角形の合宿所みたいな異質な場所が宇治にあるのだとか水着とかTシャツの柄とか掛け軸とかバスとかクワガタ対カブトムシとか背景の花とか麗奈が布団の中でもぞもぞ動くのとか久美子が驚いたときの変なポーズとかそもそもお前はうまくなりたいんだったら他人にかまけてる暇ないだろとか気になるところは山ほどあるけど、考え始めるとキリがないのでそういうのは他をあたってください。それと、1期に比べてさらに磨きがかかったように思われる音響については、いずれ稿を改めて書きたいなあ。



そして、次の曲が始まるのです。