2016/11/11

「響け!ユーフォニアム2」深読み:第六回

いつもの前置きを再び:何をどう工夫してもネタバレは避けられないし、そもそも自分が考えてることは明らかに他の皆さんと違っちゃってるようなので、まだ見てない人はもちろん既に見た人も含め、作品を素直に楽しみたい方は、この記事の存在を忘れてください。ただの感想文とか楽しい感じには絶対にならないので、そういうのを期待してる人は読まないでください。

警告おしまい。あとは好き勝手に書く。こんなのを読むおまえらなんかお化けに取りつかれて呪われてしまえー!!








本題。第六回「あめふりコンダクター」について…って言っても開始数分で三連コンボ食らってKOされちゃったんだけどな。具体的には以下:
  • アバンの音楽がアップテンポなものに変わった
  • OPのモノクロ部分がカラーになった
  • 「君は天然色」
最初のは物語がこれからより加速するという暗示なんだろうけど、OP曲「サウンドスケープ」との繋ぎが超カッコいい。ライブはぜひこれでお願いしたいところ。

残りのふたつがもう言葉にならず…まずOPのモノクロ画面は第一回で「描かれている風景が誰かの色あせた過去の記憶である」と解釈したけど、それがカラー化されたことでいろいろと軌道修正をせねばならんと思った。例えば「関西大会までの異常なプレッシャーとその緊張から解放された精神状態の表現」とか。





ところがその直後、故大滝詠一氏の代表作のひとつである「君は天然色」が北宇治高校吹奏楽部の新曲として流れてきたときにものすごい衝撃を受けてひーひー言ってるわけです。選曲がOPのカラー化に呼応していることはもちろん、モノクロから総天然色への移行「自覚的に伝統的な映画表現に立ち返っている」最近の京アニの作風の現れという意味もあるけど、この曲そのものが第六回のテーマ、そしてこの回の主役である滝先生を表していることは、原曲の歌詞を見れば誰でもお分かりになると思う。
くちびるつんと尖らせて 何かたくらむ表情は
別れの気配を ポケットに匿していたから
机の端の ポラロイド写真に話しかけてたら
過ぎ去った過去 しゃくだけど今より眩しい

想い出は モノクローム 色を点けてくれ
もう一度そばに来て
はなやいで うるわしの Color Girl

この歌詞を書いた松本隆氏が述べているのと同様に、愛する人を永遠に失って長いこと塞ぎ込んでいたという滝先生の想い出と見えていた景色がモノクロになってしまっていたとして、彼がおそらくは大きな葛藤を抱えながら亡き妻の母校の吹奏楽部で指導を始めて「全国大会での金賞受賞」という「ふたりの夢」に手がかかったとき、滝先生は"ロング・ヴァケーション"から還ってきて彼の視界に「色」が戻ってきたんじゃなかろうか(OPには南中時代の希美先輩が出てくるけどそういう矛盾を承知で)。それをもたらしたのが色とりどりの瞳の輝きを持つ北宇治高校吹奏楽部の"Color Girls"だとしたら…なので、希美先輩やチームもなかの面々も一緒にこの曲を演奏したこの場面で涙が止まらんのです…野郎どもはこの際どうでもいいどうでも。





…せっかくだから色の話をもう少ししとこう。悶絶したのはここ。


ゆっくりみたいなあすか先輩の顔つきで笑っちゃうけどそれはさておき。「あすか先輩は特別だから紫色」というのは何度も述べてきた通りだけど、誰もついてこないみたいだから軽く解説しとく。紫色は古来より世の東西を問わず高貴な色とされていて冠位十二階の最上位の色だったりするわけで、京紫という色名が存在したり地元のサッカーチームが紫だったり、とにかく京都やあの周辺では紫は歴史が深くてとても大きな意味を持つ色らしい。なので、宇治を舞台にしたこの物語において彼女が紫をまとうのは当然なんである。

問題はその隣にいる晴香部長に橙色を配置したところ。色彩検定とか受けてないのでこちらのサイトで必死こいて勉強したら、紫と橙の関係は"Related Color Scheme"に相当するらしく、こちらのサイトで小一時間ほど試したところ何とも絶妙な位置づけになった。青は香織先輩かな?んで葵ちゃんは何となく緑っぽかったよね…とかそんな妄想をしてる。


あとは思うところをつらつらと。

第一回から第五回の中心だった2年生4人組が楽しそうで何よりだけど、みぞれ先輩と希美先輩のクラスは別なんだよね…?みぞれ先輩が希美先輩と同じクラスで例の事件が起こるまで息を殺すようにして過ごしていたとしたら、ちょっとつらくてやりきれない。



ちかおがこのシーンでさりげなく「オンディーヌ」とか言ってるけど、麗奈の想いは悲恋で終わるのかしら…



着ぐるみに入らない方が宣伝になるんじゃないかと総ツッコミの香織先輩。去年、チューバくんの着ぐるみに入ってたのも彼女かもしれない。しかもノリノリで。


一方、ソロを競った麗奈もノリノリである。北宇治高校吹奏楽部員はアクの強いメンツばかりのようで…(笑)


文化祭の喧噪から離れて一息つく久美子と麗奈。夏服ではあるけど季節が秋に移ってしまったことが語られていて、とても切なくなる。そういえば雲の描き方も違っているね。あと北宇治高校には軽音楽部も存在するから遠慮しなくていいぞ(何が)。



文化祭が終わった直後に久美子の家で麻美子ねえちゃん問題が顕在化。このシーンは室内を3DCGで描いているけど、アニメが体験映像化を目指すとすれば、今後もこういう絵面が頻出するだろう。


アイキャッチは前回の優子先輩と同様に夏希先輩が大抜擢。個人的にとてもうれしい。


宇治川、天ヶ瀬ダム、塔の島の名前が劇中に出てきたのは第1期や劇場版も含めて初めてかな?


ここ、県神社から宇治橋西詰に向かう道だと思うけど…こちらも劇中では初めて出てきたと思う。詳細は舞台探訪勢にお任せします。



花に囲まれてると別のアニメの住人みたいな滝先生だが、年齢相応の陰りは青くさい高校生の好奇心につけいる隙を全く与えないほど残酷なものである。それはワタシみたいな年齢にならないと分からないものだと思うけど…





そして、極めて不穏な終わり方。EDのカットがみぞれ先輩からあすか先輩に変わったことで、物語のフォーカスは彼女に移ることを予告している。だからこそヤバい。



んで今回の個人的な見どころ。シトロエン ami8!!日本に数台しかないと言われるレアなクルマをここまで描き込んでくれてる。ダッシュボードから水平に生えてるコラムシフト!なぜか斜めになってるハンドルのステー!うひょー!!ちなみに曲がり角にある提灯はおそらく県神社のもの。







それと…ここ。




そして、次の曲が始まるのです。