2016/12/09

「響け!ユーフォニアム2」深読み:第十回

いつもの前置き…は、そろそろいいか。もう好き勝手に書く。特に今回は深読みでも何でもないスクリーンショットを引用するだけのものだしな。



第十回「ほうかごオブリガード」について。今回のエピソードは、久美子と麻美子ねえちゃんの別れと、久美子があすか先輩に全力で挑みかかる姿が描かれる。その話をする前に、ちょっとだけ自分語りを許してほしい。




ワタシには、久美子から見た麻美子ねえちゃんと同じくらいの、少し歳の離れた兄がいる。両親や姉によると、ワタシは物心つく前から常に兄の後ろにくっつき回っていたらしい。実際、兄は成績優秀スポーツ万能、スリムで高身長で身内が言うのも何だが超カッコよく、フォークギターを弾きながら生徒会にも顔を出してたんだっけかな?そういう兄から、ワタシは何もかもを教わった。自分を形づくる価値観は、全て兄によって与えられたものだと断言していい。しかし、兄はワタシが小学校中学年のある日を境に突然いなくなった。将来の夢のために下宿して進学校を目指すため別居したのだが、たまに絵はがきが届くだけで、年に1度帰ってくるかどうかになった兄の不在の日々を、後になって姉と話し合ったことがある。そういう姉がいなければ、今でも兄のことを完全に神格化したままだったかもしれない。もっとも、兄と面と向かってゆっくりいろいろな話ができて自分であれこれ考えられるようになったのは、ワタシが大人になってしばらく経ってからなのだけども。



上記のような理由で、Aパートの黄前姉妹の姿が深く胸に刺さった。不意に流れる久美子の涙の重さは、大好きなものを与えてくれた、自分の先をゆく兄や姉を失った弟や妹しか分からないんじゃないかとすら思う。久美子が呟いた同じ言葉を、子供の頃のワタシは何度も言っていたから。



そしてBパート、全てを諦めて去ろうとするあすか先輩を失わないために、久美子は意を決して説得を試みる。しかし、晴香部長も香織先輩も太刀打ちできない圧倒的な言葉と、人の心の深淵を覗き込むような表情の前に、彼女は敗れてしまいそうになる。






そして…我々は目撃することになる。完璧なアニメを。いや、アニメ以上の何かを。




  





第1期第十二回「わたしのユーフォニアム」で、黄前久美子は悔しさのあまり涙を散らして夏の夜の宇治橋を駆けた。自分のためだった涙が、今度はかけがえのない誰かを想って流れる。言葉は感情のほとばしりに変わり、特別であったはずのあすか先輩を打ちのめす。





もしかしたら、あすか先輩はこのとき初めて、自分に対する他人の想いというものを知ったのかもしれない。



ワタシが兄との距離を縮められたのは、互いが成長して時間が経ってからだった。久美子と麻美子ねえちゃん、久美子とあすか先輩が、本当に笑って話せるのは、同様にもっと先になるかもしれない。だけど今はそれでいい。たとえこの物語が終わっても、彼女たちの時間はまだあるのだから。









…他にも言いたいことはあるにはあるけど、今回はほぼ全て深読みの余地なく「久美子の覚醒」と「あすかの帰還」が描かれているので、そのまま見ていただければ良いと思う。派手な動き、大胆な構図やカット割りは控えめながら、こんなに上質な映像作品をTVアニメシリーズとして見られる事実を幸福と呼ばねばなるまい。もちろん、このエピソードにおける黒沢ともよ嬢の大熱演は、ワタシが言うまでもなく特筆すべきものである。

あ、忘れるところだった。ここだけは取り上げないと。手首の反り返り!これぞユーフォ!(笑)



それと…麗奈さん既読スルーやめてください…





そして、次の曲が始まるのです。