2017/05/24

女の子の寄木細工〜バンダイ Figure-riseBust ラブライブ!サンシャイン!! 国木田花丸を組んでみた

そんなわけで以前から気になっていたプラモデル、バンダイのFigure-riseBust(フィギュアライズバスト)シリーズをやっと買ってきて組んでみたので思うところをつれづれと。なお今回は写真だらけなので重いかもしれません。



本題。既にかなりの品数が出ているこのシリーズ、今回はまあ個人的な好みもあって発売されたばかりの「ラブライブ!サンシャイン!!」の国木田花丸ちゃんを購入した。ではさっそく組み立ててみよう。


世にも奇妙な、女の子の組立説明書。



このシリーズの売りであるバンダイのレイヤードインジェクション技術…簡単に言うと異なる色のプラスチックを注型してひとつのパーツとして成型するものだが、このキットでは瞳と顔面にそれが用いられている。ピンボケで恐縮だが金太郎飴のような瞳パーツの状態がお分りいただけるだろうか?



組立説明書に従って、この2つのパーツをいちばん最初に組み合わせる。たった2つのプラスチックのパーツによっていきなり女の子の顔が立ち現れる体験は、なかなか強烈なものがある。


2つのパーツを切り取った後のランナー。こちらの方がある意味パーツより見どころが多いかもしれない。




するめとメカが悪魔合体したようなパーツを組み立てると、何とも言えないかたちの何かが出来上がる。この時点で既に髪の多層構造が見て取れる。










顔面と変な形状の何かを組み合わせ、さらに妙なかたちのパーツを変な角度でを追加していくうちに、女の子の首から上が出来上がる。これもピンボケで申し訳ないが、頭頂部のパーツの分割線が髪の分け目になってるんだけど梅干しみたいで面白い。



パーツの表と裏であまりにも表情が違いすぎる、胸と背中。





このキットはいわゆる組立式だが、衣装やアクセサリーの模様の一部はシールで表現されている。腕に覚えがあるなら塗装でももちろん構わないが、今回は完成品のかたちをさっさと見たかったのでシールで済ませることにしたのだけど、これがプラスチックのパーツの精度と全く狂いなく切断されてることに驚愕してしまった。衣装のスジボリ(!)にぴったり合わせていかないとみっともなくなるので、実はここが一番難しいかもしれない。それにしても…いくら模型とはいえ女の子の身体を触りまくってシールを貼ってゆく背徳感がすごい。





おなかとスカートも同様に。びっくりしたのはスカートの中のピンクのパーツ。外から見えるわずかな部分のためだけに、この色と大きさで成型してあるという…。









胸とおなかとスカートを組み合わせてパーツをいくつか追加すると、女の子のトルソーが出来上がる。ネクタイの柄までシールを貼らせるところが徹底している。





ペンネのような断面を見せるパーツを組み合わせていくと左右の腕が出来上がる。鉄骨みたいな肩の接合部とやわらかな曲線の対比。





頭部と胴体と腕を組み合わせて完成。各パーツの幾何学的で無機質な形状の部分は見事に包み隠され、やわらかな曲線をたたえるかわいらしい女の子の上半身像があらわれた。ちなみに、ここまで来るのに約2時間。






がんばってセッティングして撮ってみたけど難しいねえ…というわけでこのプラモデル、接着剤も塗料も使わず数時間でかたちになって1,300円くらいという破格の安さ。ここまでなら初心者におすすめとか言ってまとめてしまうところだけど、実はそれほど単純ではない。

まずちょっとした欠点から。レイヤードインジェクションで成型された顔面はきれいだけど他のパーツは通常のバンダイのプラモデルのレベルなので、一部でパーティングライン(金型にプラスチックを射出して成型する際にパーツへ写し取られる金型の合わせ目)が目立つ。カッターの刃を立てて軽くカンナがけしてやると馴染むかもしれないが、今回は女の子の柔肌に刃物をあてるのもなあと思って止めておいた。また腕などで顕著だけどパーツの分割部分が表に出ているので、気になる人はパテ埋めののち表面を処理して塗装すべきだが、そうなると全身にわたってそうしたくなるはずなので見極めが難しい。それともうひとつ、シールは慎重にズレなく貼る必要があるが、強く押さえすぎるとよろしくなさそう。いくら精度が高いといっても2次元のシールを3次元の、しかも女の子の身体の曲面に馴染ませるのはさすがに無理があるように思う。

一方、初心者向けとして終わらせたくないこのキットの魅力について。特に後頭部と髪を組み立ててるときに感じたのだけど、昔のモナカキットみたいに前と後ろを単純に貼り合わせるような構造を取らず、思わぬ方向からパーツを組み合わせていき強度を上げながら髪の重なりを表現する構成が本当に面白かった。「このシリーズが組立式なのですごい」的な記事を以前に見かけたけど、自分としてはやはりレイヤードインジェクション技術による深みのある表情と、巧みな分割で一見バラバラなパーツをピタリピタリと組み合わせさせる構成の2点が、このキットのアドバンテージだと思う。かつてはスナップフィットと呼ばれた接着剤不要の組立式プラモデルが当たり前になってずいぶん経つが、こういうナマモノ的モチーフまでカバーできるようになって、しかも昔よりはるかに複雑なのに精度と強度が十分というのは、組んでみたからこそ感慨深い事実として味わうことができる。

それにしても…久しぶりにプラモデルを組んでみたけど、とても楽しかった。実はこれが商品としての一番のバリューなのかもしれない。