2010/10/13

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」とボーカロイド

帰省のよもやま話を一気に省略して、この話を書かねばならない使命感に駆られている。旧友moshibi氏から勧められた「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」を、一気に読み終え、このところモヤモヤと抱えていた疑問が氷解した手応えを得た。

書かれていることは次の2行に集約されると著者である橘玲氏自らが語っている。
  • 伽藍を捨ててバザールに向かえ
  • 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ
「伽藍」と「バザール」や「恐竜の尻尾」については、ここの読者ならば当然察しがつくだろうから説明は省略。著者は、これらを現代日本の「残酷な」社会構造にあてはめることで、カツマー的な自己啓発推進論を否定した上で、生き延びる術を提示する。これはそのまま、自分がずっと抱えていた社会に対する葛藤への回答となった。と同時にこれは、ボーカロイドを取り巻く環境にひとつの方向性を指し示す鍵となりうるだろう。なぜなら、ボカロ界隈は既に充分過ぎるほど「バザール的」だからである。ボカロが世界的なうねりすら引き起こしつつある現在、切れ者ならばこれを逃す手はないと考えるのが当然だが、伽藍的価値観に振り回されてはならない。例えばバイバイレコードを興したキャプテンミライ氏のように、バザールの井戸を軽やかにクロールすべきだ。