あの歓喜にわいた勝利の余韻にひたる間もなく、ついに決勝トーナメントのその日がやってきた。
ここまでの各試合を見る限り、先取点が試合を八割がた決定づけること、そしてついに強豪、特にFIFAランキング1桁台の常連国が牙をむき始めたという印象が強い。前者の理由は単純で、得点されたチームは同点・逆転するために攻撃に力を割かねばならず、それと引き換えにより多くのリスクを負わねばならなくなるため。そして後者は、やはりW杯における試合経験の差という以外あるまい。オランダが予選でもあの調子なら、得失点差で有利な状況で戦えたデンマーク戦は、立場が逆転していたかもしれない。
さて今回の相手はパラグアイ、南米予選を突破し、予選をトップ通過してくるだけの実力を備えた強豪である(ちなみに
最新のFIFAランキングは30位、ガーナやデンマークよりも上。日本は45位)。苦手とする南米特有のスピードと個人技に加え、経験・守備力・組織力を兼ね備えた難敵である。
さてこれらの事実から、我々はいかに闘うべきかを考察してみよう。と言っても既に答は出ている。何も変える必要はない。予選で失点2(うちPK1)の守備力は、客観的に言って確かなものである。この守備が完璧に機能して得点さえ与えなければ、少なくともPK戦の「くじびき」までは負けることはない。そしてもうひとつの経験差については今更どうしようもなく、W杯の経験をこれから積み上げていこうというときに、過去の戦績を引っ張り出してきてうんぬん言っても意味が無いからである。
おそらく危険なシーンに何度も見舞われる、しびれるような試合展開になるだろうが、恐れることはない。しょせんは一発勝負、勝つか負けるか。可能性がある限り全力でチャレンジする。それしかあるまい。我々はそのチームスピリットに応え魂を込めて応援するだけである。あとは運を天に任せよう。
…このチーム、なんか「持ってる」って感じしません?ワタシはそう強く感じるので、妙に落ち着いていたりするのです。