これだけ書くと、いくら格安物件とは言えアホな買いものである。まず見た目からして明らかに年齢不相応、年式と走行距離を考えると2年乗って手放しても元々が鉄クズ同然なので下取り額などはゼロどころかマイナスに決まっているし、そもそも2年を無事に走り切れる保証がまるで無い。ワタシも正直言ってどうしてこうなったかよく分かってないので、購入に至る経緯を軽くおさらいしておく。
そもそもは北海道の実家へ帰省するたびに借りるレンタカーのコストが馬鹿にならず、ならば実家に放置しても大して痛くない激安中古の軽自動車を置いておこうと考えたのが始まり。それが以下のように二転三転して、今回の車体に巡り合った。
- 北海道で使うなら4WDがいい → 三菱eKスポーツRSの超掘り出しものが見つかったが油断してるうちに買われてしまった
- 実は軽の4WDは関東圏ではあまり良い個体がない → 軽自動車や4WD以外も視野に入れて探し始める
- どうせ買うなら楽しいやつがいいと思って本格的にいろいろ物色し始める → 初代トヨタ86・スバルBRZ、現行・先代スイフトスポーツ、スズキKei Bターボ・初代ラパンSS・キャンバストップ、初代ダイハツコペン、ホンダフィットスカイルーフ、スバルエクシーガ、トヨタMR2(以前乗ってた通称5型NA)、マツダRX-8、シトロエンDS3カブリオ等々...
- そのうち何台かは実際に個体を見に行く → 特にシトロエンDS3カブリオは買う気満々だったが目の前で故障が発覚して萎えたりして購入のタイミングを逃す
- そうこうしてるうちに仮押さえしていた駐車場が期限切れ → 購入を諦める
- 数週間後に駐車場から急に空きができたという連絡が来る → 購入検討を急遽再開
- コストと状態が妥協できる範囲で探す → スズキKei Bターボの4WDにほぼ決まりかける
- ふと思い出して同時期に売られていたKeiワークス4WD版を探す → 近場に掘り出しものがいくつか見つかる
- Keiワークス4WD版を見にいく寸前に2WD版を探す → たまたま良さげな個体が見つかる
- Keiワークス2WD版のスペックを念のため調べる → 4WD版より軽くヘリカルLSDが標準装備されていると知る
- 実車をチェックしに行く → 年数が経っていて走行距離が嵩んでいるにも関わらずほぼ純正状態を保っており、内装、エンジンや足回りが言うほど傷んでいないのを確認
- 急いでいたこともあって衝動買い → 納車されて現在に至る
さて納車から一連のあれこれは既にツイート済みなので要点だけ。
my new (but still old) car... pic.twitter.com/ha4MzOppLO
— (パ) (@im9d) June 10, 2023
長所:
- スズキの"ワークス"を冠するだけあって、やたらと元気よく走る。特にコーナリングはヘリカルLSDが効いてるせいか、オーバーステア気味とさえ感じるほど。
- やっぱりマニュアル車の運転が楽しい。Keiワークス標準装備のレカロシートは内部設計がスズキ製で外側がレカロらしいけど、ヘタリはほとんど感じられず、やや小ぶりながら身体をしっかりサポートしてくれる。ただポジションがいまひとつ決まらないのでギクシャクしがち。
- 合法的に4人が乗れてリアシートを畳めばそれなりに広い荷室が現れて、その気になれば車中泊も何とかできそう。アホみたいだがMR2時代には無理だったので地味にうれしい。
- 維持費が安い。レギュラーガソリンで燃費は実測15km/リットルだが長距離巡行ならもっと伸びそう。その他、税金もタイヤも最近のコンパクトカーに比べたら実に大人しいもんである。
- 各種パーツが安い。大昔の標準規格ハロゲンヘッドライトバルブやDINサイズオーディオはデッドストックや中古が、また、同時期のスズキの軽自動車はアルトから派生した車体が多いせいか共通部品や流用可能なパーツがたくさんあるらしく、そういった情報は探せばいくらでも出てくる。
短所:
- 車内がとても臭い。現状では最大にして唯一の不満と言っていいかもしれない。おそらく以前のオーナーが喫煙者だったせいだが、実車チェックのときはほとんど気にならなかったのに、いざ受け取ってみたらあまりに臭いので閉口している。車内で取り外して洗えるものは洗ったりして少しはマシになったと思うが、業者さんに頼んで車内丸洗いと脱臭を敢行するかもしれない。
(気休めのパナソニック製ナノイー発生器をアウトレットで見つけて買った)
- 標準の革巻ステアリングの革がボロボロ。これは実車チェックのときに当然気づいていたが、あまりにひどいのでカー用品店に寄ってハンドルカバーを被せてごまかした。いずれ程度のいい品と交換したい。
(余談だが外付ブースト計が唯一いじってあった箇所)
- ギア比が極端。軽量とはいえ高々64馬力の車体をスポーツ的に走らせるためか1〜4速はクロス気味でシフトチェンジに忙殺される。5速は高速巡行用のようだが、長めなシフトストロークにまだ慣れておらず、うまく入らない。
- 車体のロールとピッチが大きい。これは車高や最低地上高が大きめのSUV的なデザインに影響されているところが大きいので仕方ないが、ダンパーがヘタっている可能性も考えないといけない。
- その他、実際に乗り出して分かる細かな故障の気配やパーツ・内装のビビりがいくつか。これは中古車が程度の代償こそあれ「そういうものとして」受け入れて付き合っていくしかない。
さて今後は(臭いの解消が最優先事項だが)どう乗っていこう?シートポジションを下げて車内電源を増設するのはほぼ確定として、たぶん簡単なアウトドア用品を揃えて、郊外へふらっと出掛けて外でボーッと過ごすための移動手段にすると思う。数年乗って手放そうと思っているけど、(実家で以前所有していた初代ワゴンRを何となく連想させるためか)思いのほか気に入ってしまったので、数年後もし壊れてなければ処分せず北海道に送ってしまうかもしれない。
MR2を手放すときに「ワタシが夢想していたモータリゼーション」は失われたと感じたけど、移動の自由とガソリンエンジンの未来はあとしばらく、少なくとも自分が安全にクルマを運転可能な残りの時間程度は信じることができそうである。
(余談だがナンバーを標準的な黄色にしたのは軽自動車であることを明確にして安全性を確保するため)