For short, " I. M. G. D. "
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2018/04/22

まばたきを忘れ息を殺し鼓動を止め 〜「リズと青い鳥」レビュー(ネタバレあり)

突然発表された4/4の丸の内ピカデリーでの完成披露上映会に何とかスケジュールの都合をつけ駆けつけて作品を見終わった後、鎧塚みぞれが奏でるあのオーボエの旋律と音色が脳裏にこびりついたまま4/21の公開初日を迎えて、朝イチの上映からとにかく「リズと青い鳥」という映画を見なければという焦燥に駆られて4回ほど見た。



完成披露上映会の開幕前に舞台へ立たれた山田尚子監督は相変わらず、口と手足が一緒に動く人だった。

「職人を見るときはまず手を見ろ」というのは誰から教わったのか忘れたけれど、こういう「表情や手足はもちろん全身を総動員して話す」人は、たいてい面白い。それはほとんどの場合、話のイメージが頭の中で既に完成されていて、それを相手に何とか伝えようとしてジタバタしているのを眺めているだけで、なんだかとても楽しいからである。原作の武田綾乃さんも脚本の吉田玲子さんも、今回の主役を演じた種﨑敦美さんも東山奈央さんも、仕事の皮をぺりっとめくったらおそらく似たようなものだろう。

かくして「リズと青い鳥」は、そんな職人たちによって「響け!ユーフォニアム」という原作小説&イラスト・コミカライズ・アニメのシリーズによる「エレクトリックギターの歴史におけるフィードバック奏法の発明」のような状態からさらに突き抜けて、極めてカッティングエッジな映画として我々の眼前に現れた。上記の各メディアで何度も何度も見え隠れしていた、思春期の少女たちの誰もが抱えるリアルな皮膚感覚を、これほど鮮やかで生々しく残酷に捉え切った映像作品を、とりあえずワタシは他に思いつかない。山田尚子監督はあのやわらかなほほえみと物腰のまま全力で倒しに来た。京都アニメーションと牛尾憲輔氏と洗足学園大学、製作委員会とランティスと松竹、この作品に関わった全ての皆さんは全力でそれを支えた。

山田尚子監督は性格悪い。

高坂麗奈ならこの映画を見て躊躇なく、にっこり笑いながらこう言ってのけるだろう。




以下ネタバレありなので改行を多めに:

2018/04/21

翔べ! 〜映画「レディ・プレイヤー1」ファーストインプレッション

新宿ピカデリーかどこかで偶然ポスターを見かけて、あまりの光景に狼狽しつつ「これは封切初日に見ないとダメなやつだ」とオタク特有の勘が働いて、仕事をやっつけて速攻で映画「レディ・プレイヤー1」を見に行ってきた。

この映画については、実はもう全てが準備済みだった。正直むっちゃ面白くてボロボロ泣いちゃったので書くと長くなるけど、ただひとつだけ、この画像を貼りたいがためにファーストインプレッションと言い張って速攻で記事をでっち上げることにした。

(フォントはPress Start 2P Fontをお借りして、1分くらいででっちあげたので荒くて済まぬ)



この映画、予告編やポスターを見ただけだとちょっと勘違いしてしまうかもしれない。例えばVR感バリバリの近未来映画なんだろうとか、有名キャラクターが勢ぞろいして夢の共演が実現したとか。それはそれで正しい。でも、個人的な引っかかりはもっと最初のところ、

「なんでよりによってヴァン・ヘイレンのこれがオタク映画のテーマソングなの」

という点。もはや歴史的な遺産と呼んでいい超名曲なのは置いとくとしてもだよ?


…などと、めんどくさいオタク特有のこじらせた感覚を覚えながら見て、思ったところを以下にネタバレを交えつつ簡単に述べる。念のため改行を多めに:

2018/04/17

nasneでTVアニメ時短視聴のススメ(2018年版)

以前書いたこの記事の2018年度アップデート版。最近はこんな記事を書いてる時間すらもったいないほどTVアニメの本数が増えちゃったので要点だけ書く。
用意するもの:
  • 家庭内LAN環境(有線・無線の両方)→大前提なので説明は省略
  • nasneとUSB接続の外付けハードディスクドライブ(2TB推奨)
  • PCやスマートフォン等いつも自分が使っている機器のモニタと、環境に適した再生用アプリケーション
  • 必要に応じて大画面TV+Fire TV・PS4・Blu-rayレコーダー・バックアップ用NASなど
以上、nasne以外のハードウェア代を別にしてだいたい3万円もあればストレスなく録画&安定した1.5〜2倍速視聴環境が得られるので見逃す機会が減る。nasne自体は地上波デジタル放送・BS・CSの3方式に対応しているけど残念ながら同時録画はできないので、そういうニーズの場合は単純にnasneを増設すればいいが、アンテナ線の分配やLANの配線などは各自で考えてください。以下、個別に解説:

・nasneとUSB接続の外付けハードディスクドライブ(2TB推奨)

nasne本体は現在1TBのみが販売されているようだが、この手のものはいずれ確実に容量が足りなくなるので、最初からUSB接続の外付けハードディスクドライブを増設してしまおう。現状2TBまでしか認識できないらしいので、せっかく値段が安くなっているところでもあるから始めから2TBのディスクを数台用意して、録画容量が2TB近くになったら次のディスクに次々と交換して(または買い増しして)しまった方がよい

訂正:1台のnasneに増設できる外付けハードディスクドライブは物理的に1台だけとの情報をいただきました。必然的に最大容量の2TBをくっつけるしか無くなります…いけずぅ。

どうやらnasneは外付けハードディスクドライブが増設されている場合は優先してそちらを使うらしいので、こうすれば貴重な内蔵ディスクへの負荷を減らせる。なお、然るべき外付けケースにディスクを2台積んでRAID1を構築すれば安心できると思うけど未検証。それから、録画時に内蔵と外付けのどちらかのディスクを指定することはできず、また、あるディスクから別のディスクへの移行もできないっぽいのが割り切りというかダメなところというかなので、そういう使い勝手を求める人には正直あまりおすすめできません。ソニーさんがんばって頼む。

・PCやスマートフォン等いつも自分が使っている機器のモニタと、環境に適した再生用アプリケーション

発売時はともかく、高性能なPC、スマートフォンやタブレット端末が身近にあふれた現在では、それで動画を見るのが当たり前になっている。なので、nasneも家庭内無線LAN設置を前提として上記のような機器とアプリで運用した方が快適というのが、実際にここ数年使って得た結論。特にスマートフォン・タブレット端末では下記の2つのアプリがものすごく強力なので超おすすめしたい(iOS用のリンクを貼るけどAndroid用もあるはずなので探してみてください)。
  • torne mobile(予約・視聴・持ち出し用、無料、App内課金あり)
    家庭内用ハードディスクレコーダーがnasneだけなら、これだけで済む超高性能アプリ。軽快で分かりやすい画面、気の利いた検索、設定さえすれば外出先からいつでも予約可能、App内課金で強化される持ち出し機能など、録って見て消す用途だけなら何の不満もない。nasneを買ったらとりあえずインストールして、以降は基本的にこれで操作するようにしよう。

  • Media Link Player for DTV(視聴・持ち出し用、有料、お試し用の無料版あり)
    詳細は省くけど、現在の家庭内LAN環境下でハードディスクプレイヤー的な機能を持った録画機器の動画を視聴できるアプリ。特にここ最近は、持ち出し予約お知らせ機能(Android版だと自動持ち出しまでやってくれるらしい)、再生速度の記憶、nasneに限らない幅広い機器への対応強化など、ワタシのように大量のTVアニメを2倍速で視聴するのが当たり前になっている者のためと言っていいようなアップデートを実施してくれている。先日はついに自分が使っているBUFFALOのバックアップ用NASの動画まで視聴・操作できるようにまでなってしまった。おかげで無駄にダビングされていた動画を消さずに済んだので本当にありがたい。似たようなことはtorne mobileだけでもできてしまうけど課金していくと結局同じくらいの値段になってしまうので、視聴専用に最初からこちらを買ってしまって良いくらい。

    追記:torne mobileに比べてiPadのSplit Viewに対応してるのがものすごく効く。なので本気で使い倒したい人は、この際大容量の新しいiPadに買い換えてしまおう。最近のAndroidならmicroSDカード運用でさらにお得かも?

  • PC TV Plus
    パソコン用ソニー純正TV視聴アプリケーション。上記と同様にnasneに限らず幅広く使えて安定してて機能も豊富なのだが、ライセンス形態が単体ユースに特化していて複数台運用に向いていないのが玉にキズ。
  • StationTV Link
    事実上唯一、Macで動作するTV視聴アプリケーション。こちらも同じく原理的には幅広く使えるはずなんだがアップデートが遅く機能ももの足りないため、他を見習ってもうちょっとがんばってほしい。デジタル放送はただでさえ不便を強いられているわけだし。
・必要に応じて大画面TV+Fire TV・PS4・Blu-rayレコーダー・バックアップ用NASなど

nasneはネットワーク的にはメディアプレイヤー機能を搭載したNASなので、実は相手を選ばない。大画面TVはそういう機器に接続できる機能さえあればおそらくそれだけで映るはず。それと例えばAmazonのFire TVはDiXiM Play Fire TV版をインストールすれば見ることができ、GoogleやAppleのTVボックスも似たようなアプリが存在するはず。PS3とPS4は言うに及ばず、(特にソニー製の)Blu-rayレコーダーとも相性がいいと思う。それとバックアップ用に前述のBaffalo製NASが「ネットワーク上の機器で録画があったら自動的にダビングする機能」を備えているため、一時的なバックアップ先としておすすめ。ただし、何年も使ってるけど不安定でいつ吹き飛ぶか分からないというのが正直な感想なので、安定性を求める方は複数ディスク搭載モデルか別メーカーで同様の機能を持っているものを探してください。

駆け足で書くつもりが長くなった。TVアニメの数があまりに増えすぎて見る意欲が減退気味の方は、「とりあえず録画しておいて気が向いたら後でいつでも見られる」環境をnasneで整えておくとマジで便利っすよ。ストリーミング配信に移行してしまってもいいんだけど全部がすぐに乗っかってくるわけでもないので、やっぱりねえ。



追記:nasneは実はネット環境さえ整えてやれば外出先から見ることができるけど制限事項あり。今回も触れていないのは外向けに接続するための家庭内LANの設定がめんどくさいのと、特にスマートフォン視聴でパケット代が嵩みまくるだろうという個人的な理由のため。そのへんが気にならない人はレッツトライ!