For short, " I. M. G. D. "
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2021/07/31

ファスト風土とアナログレコード 〜 劇場版オリジナルアニメ「サイダーのように言葉が湧き上がる」レビュー(ネタバレあり)

この情勢で新作映画の公開がことごとく延期されるなか、個人的にとても楽しみにしていた「「サイダーのように言葉が湧き上がる」も当初の予定より1年ほど遅れて公開された。

たかが1年、されど1年。

見終わった後、世の中がこんな状況でなく当初の予定通り公開されていたら、「2020年にヒットしたアニメ映画」として話題になったんだろうなあと率直に思った。それ自体が残念でもあるし、この作品が最近の多くのアニメ映画と同様、時代に囚われているという一種の限界を持っていることも、強く感じてしまった。



2021/07/26

思い出はモノクローム、色をつけてくれ 〜 「劇場編集版かくしごと ―ひめごとはなんですか―」レビュー(ネタバレあり)

TVシリーズのタッチが好きだったので個人的に期待していた「劇場編集版かくしごと ―ひめごとはなんですか―」を見た。

例によって下調べせず行ったので「TVシリーズでは描かれなかったもうひとつの結末」が描かれるとは知らず、そもそもTVシリーズの内容をかなり忘れてることに気づいて、まあポジティブに言えば新作映画のつもりで臨めたのは、幸せだった。

この作品は、まさにその「もうひとつの結末」によって、TVシリーズの総集編を超えて1本のアニメ映画として成立していた。そこからのエンディングテーマで、この物語は見事なフィナーレを迎えたと思う。

…いや卑怯でしょこれは!(号泣しながら)

2021/07/25

自己の欠落と欠点を認めてそれらを愛でる〜映画「竜とそばかすの姫」レビュー(的な何か、少々ネタバレあり)

万人にオススメのエンターテイメントかと聞かれたら、イエスとは断言できない。
アニメオタクが見るべきかどうかを聞かれたら、一度は見ておいた方がいいかもと但し書きつきで応えるかもしれない。
じゃあワタシ自身の本音として、映画「竜とそばかすの姫」をどう評価するのかと聞かれたら、と考え続けて既に1週間以上が過ぎた。これだけの時間をかけても結局は最初に思い浮かんだ

「アニメ監督としての細田守氏のこれまでの集大成であると同時に氏の独白みたいなものが思いっきり発露した映画」

という言葉に着地せざるを得ない。見終わった後にこれほど複雑な気分になったアニメ映画は久しぶりである。