For short, " I. M. G. D. "
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2011/03/10

最大公約数 vs 最小公倍数

いつからだろう。3/9と8/31は、我々にとって特別な意味をもつ日になった。その場に立ち会い同じ時間を共有できた幸運を、まずは素直に喜ぼう。もうハッキリ言っちゃうよ。ミクパ、ムチャクチャ楽しかった!次もチケット取れたら絶対行く!でも北海道の5/3の追加公演は、ひとりでも多くの道民にこの興奮を体験してもらいたいから、敢えて行かない!

…と、頭を多少クールダウンさせつつ、ライブレポートをまとめておく。

今回のアクトを一言で表すと、「最大公約数的なアプローチで構成されたパフォーマンス」。各論はそれこそ某巨大匿名掲示板のログやTwitterの「#mikupa」ハッシュタグ等を追えば、皆が書いてくれてるので置いておく。というか、ボーカロイドを取り巻くシーンは、この1年間で自分たちが想像しているよりも遙かに大きくなっていることを、特に古参のボカロ廃ほど自覚しておく必要があるだろう。それは上記のログの量やツイート数といったもので端的に把握できるが、そこに書かれている意見や捉え方の多様さもまた、ここまで成長を遂げたシーンの一部として許容すべきものだ。古参がお気に入りの曲を期待するのと同様に、Project DIVA Arcadeでボカロにハジメテ触れた「Pってなあに?」的なライトユーザーも、自分の知っている曲を唄ってくれるのを(たぶん古参ボカロ廃以上に)今か今かと期待しているのだ。そういう状況をできるだけ遠くから俯瞰して、「皆がハッピーになれる解」を提示したのが、今回我々が目にしたものだったのだと思う。

んじゃあその逆の「最小公倍数は何よ?」ということになるが、端的に言えば去年のライブであろう。あれはおそらく、スタッフの中にいる極度のボカロ廃のひとりが、「自分はこういうステージが見たいんだ!」という内なる欲求に基づいて組み立てたものだ。それゆえ「一種のインスタレーション」とも形容できうる、先鋭的なヴィジョンを提示できたのだ。でなければ、あの選曲とあの光景の説明がつかない。だって「ハジメテノオト」アカペラバージョンが一発目だよ?誰も予想してなかった「Innocence」を持ってきたんだよ?二次元と三次元をリアルタイムで行ったり来たりしてたんだよ?

ただし、これらを比較するのはあまり意味を持たないということには、充分に注意を払っておくべきだろう。あくまでも捉え方や切り口の違いであり、両者ともにシーンの一断面である。何?お気に入りの曲がかからなかった?ならば自分でクラブを借りてイベントを立ち上げればよい(都内ならV_NMOGRAに行ってみるのもオススメ)。もっと派手な演出を見たかった?じゃあ皆に声を掛けてMMDでムービーを作って上映会を開けばよろしい。輪の中に入って行動を起こさなければ、何も見えないし何も聴こえない。むしろこの状況を手玉にとるくらいの勢いで、アクティブに動いた者たちこそが楽しめる。良いか悪いかなんて今は誰も分かっちゃいない。だから自分はこの命の続く限り、このシーンに関わり続けることを決めた。なあに、一度腹をくくっちゃえば楽なもんよ。やり方はいくらでもある。今からでも全然遅くないよ。何なら案内するよ?
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