ボーカロイドの代表曲の一部の特徴を端的に表す言葉として定着した「高速ボカロック」については、主に提唱者であるシュールレアリスムを正しく理解するPによって定義と推移が頻繁に語られており、そして終焉が近づいていることが示唆されている(あるいは終焉したとの見方もある)。このへんの思考の流れは個人的にも興味深かったので氏と直接会話したりしているが、備忘録的にリンクを貼っておく。
- シュルるPによる「ソーシャルパンク(高速ボカロック)」 - logical cypher scape
- 高速ボカロック終了、4つ打ちポップ復権へ - Togetter
- 高速ボカロック終わった。 - 日刊シュルる
ピンとこなかった理由を整理すると、「高速ボカロック」から「ボカ」が抜けても、次とは言えないんじゃないかという点に集約される。再生数上位曲だけではなく全体的に、速度のあるツーバス連打&ギターサウンド系ロックが投稿数のかなりの割合を占めているのだが、人間が歌う既存の一般的なロックとの地続き感が増していて、相対的にボカロ楽曲の面白さや独特のテイストが減少している感じがするのだ。…ワタシ個人が上記のロックサウンドをあまり好まないので偏見であるし、独特のテイストとはまあ、主にwowakaさんとハチさんによるものなのだけど。
さてここから本題。個人的に下記の作品が気になる。
- 【初音ミク】鼓動、加速する鼓動【オリジナル】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
- イワシがつちからはえてくるんだ ‐ ニコニコ動画(原宿)
- 【初音ミク】銀色ハイウェイ(-12℃)【オリジナル曲】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
- 【ミクオリジナル曲】氷の泉の眠り姫(-36℃) ‐ ニコニコ動画(原宿)
- 【波音リツ】リベリオ【オリジナルMV】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
- 【初音ミク】コインロッカーベイビー【オリジナル】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
- 【VY1】ワールドダウン ‐ ニコニコ動画(原宿)
もう直感的に言ってしまうのだが、単なる流行の後追い、または再生産や揺り戻しではなく、新しい試みを始める段階が「また」来てるんじゃなかろうか。「大人数が一斉に好きなことを自由にやったとしても全部バラバラの結果が得られるわけでは無い」のは現在までの動きを見れば明らかなんだが、そこから誰かが突出することで新しい流れができるのもまた事実。今はその流れを自分で作れる絶好のチャンスだと思うんだけどなあ。乗るしかないこのビッグウェーブに、って言いたくなるくらいに。
2013/02/04追記:氷夢Pこと、お家さんの2曲を追加し文章を若干修正
2013/03/30追記:Taskさんの曲を追加