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2024/05/22

「響け!ユーフォニアム3」感想以上深読み未満:第七回 #ユーフォ3期

ユーフォ3の記事はできるだけ放送のキャプチャ画像を使わない方針でいたんですけど、今回はどうしても我慢できないので先に貼らせてください呼ばれた気がしたので。



というわけでいきなり京都府大会A編成の結果発表をすっ飛ばしてB編成の表彰から始まった第七回です。




本題の前にどうしても我慢できないネタをもうひとつ、久しぶりに深読みっぽい話をしておきますね。ユーフォ3放送開始前後に通称開閉会(ユーフォ好きの有志で不定期に集まってあれこれおしゃべりする会)で話したらドン引きされましたが。

黒江真由嬢の冬服やジャージが清良女子高時代のそのままで北宇治の制服の冬服姿は現状、公式サイトとOPでしか確認できないんですが、実はスターターブックでは既に全部員が冬服で描かれていて、そこでも彼女の冬服姿が確認できます。

みんなチャーミングで可愛らしいんで(加えてワタシ個人としては年齢的に保護者的観点で見てしまうので)とても和むんですが、問題は彼女の制服姿が他のメンバーと比べて決定的に違っているという点なんです。

一般的に転校生の場合、高学年なほど制服などを新調するのは経済的合理性に欠けるので、黒江真由嬢も普段は清良女子指定の制服やジャージを着用してるわけですが、コンクールではそうは行きません。おそらく久美子などに頼んで吹奏楽部OBの制服を借りてるんでしょうが、問題は自称ズボラである彼女がお年頃にも関わらずサイズを気にしていないため、背中に盛大なシワが出来ているところなんです。

黒江真由はそもそも最初から北宇治高校に合わせる気が全くないし
北宇治高校吹奏楽部でどう思われようと知ったこっちゃない

ということが、この絵から推測できるわけです。「スターターブック」を眺めていてこの違和感の正体に気づいたときは、さすがにギャーと悲鳴をあげましたよ…キャラクターデザインというものが物語を構成する大きな要素のひとつであることも痛いほど再認識しました。



さてようやく本題ですが、お盆休みの3日前後にこれでもかとバラエティに富んだ要素が詰め込まれているので、息抜き回も兼ねているんでしょうね。久美子が葉月と大学説明会に行って葉月の決断力と思い切りの良さに驚くのも実にらしいですし、優子&夏希ペアが登場したのは率直に楽しいですし、麻美子ねえちゃんが親父さんと和解して親孝行してたり久美子の進路に口出ししてたり家族で何だかよく分からない食べものをつついてるあたりも、地に足がついてて好感が持てます。特に、かなピー久石に例のごとく挑発されても意に介さずむしろ楽しげに受け止める夏希と、彼女たちの差し入れを理由つけて断ったふりしてしっかりもらっているかなピー久石の対比が、それぞれの心境の変化や成長を表していて実にいいです。それを繋ぐものが、夏希が使っていたユーフォニアムを「たまちゃんのおかあさん」こと針谷佳穂ちゃんが受け継いでいることと、「パピコ」であるというのは、話し始めると非常に長くかつめんどくさくなるので、とりあえず置いときますね…







というわけで、無意識的なのか分からんですけどとにかく思い出作りしたがってる麗奈に誘われる形で、久美子と繋がりの深いメンバーが連れ立ってプールへ行くわけですね。普通のアニメなら単純にファンサービスになるはずが、そうならないのがユーフォである所以なんですけども…



クラスメートで(こういうときでさえ競泳向けのワンピース水着でやってくるほど)生真面目な釜屋つばめちゃんと仲良くなってる黒江真由嬢は、これまで遠慮がちに接してこられてきた久美子からの誘いに大喜びで乗っかってプールにやってきますが、プールサイドでの久美子との会話には、今後への重要な伏線が含まれています。

黒江真由嬢の発言要旨は以下です。

・誰とでも仲良くなれるとは自分では思っていない。
・自分が下級生などに優しく接するのはそうすると皆が喜んでくれるのが理由。
・普通の人より自分(自覚あるいは個性、主張?)が無く、たいていのことはどっちでもいいと考えている。
・好き嫌いが全く無い人のことを本気で好きになることは絶対に無い、なぜなら自分自身がそうだから。

ワタシ個人としては、2〜3年に1回のペースで転校を繰り返した自分自身の性格や思考パターンと共通点が多すぎて深く頷いてたんですけど、この会話で久美子は黒江真由嬢のことを過去の自分を思い出すので苦手だと気づきます。気を利かせて飲みものの種類をたくさん買ってきてくれたつばめちゃんに、あなたはどれが好きかと尋ねるのは久美子への嫌味ではないはずですが、事態はもうちょっと深刻なことには思い至っていないようです。

そして黒江真由嬢は、ついに北宇治高校吹奏楽部と黄前久美子へ"宣戦布告"します。それは「リズと青い鳥」でリズが青い鳥だけにこだわるのはおかしい、すなわち(あの当時はベストの演奏であったであろう)「リズと青い鳥」で全国出場を逃したことに固執して、一度入部した者に退部を許さず全員で全国大会金賞を絶対的な目標にする理由のひとつにするのは変だ、と言い放ちます。

ここに至り、黒江真由嬢の正体は、以下3名の集合体だということが判明します。

・誰にでもいい顔をしながら無遠慮に他人のプライベートまで首を突っ込んでいた(特に中学〜高1時代の)黄前久美子
・そうすると誰かが喜んでくれるからというのが吹奏楽へ打ち込む大きな理由だった鎧塚みぞれ
・たいていのことはどうでもよかった、自嘲気味な田中あすか

従って、久美子は自分自身以上に、北宇治高校吹奏楽部がこれまで経験してきた数々のトラブルの元凶にまで踏み込んで考え直して行動しなければ、黒江真由という存在に負けるでしょう。

そこまで深く思わず、プール帰りにいつも通り写真を撮る黒江真由嬢をカメラのフレーム内に呼び込んだ久美子に対して、黒江真由嬢は売ったケンカを買われたと感じたかもしれません。曖昧な態度を続けてきた久美子は、自らの言動によっていよいよ黒江真由と対峙せざるを得ない状況に自らを追い込んだというわけです。アナログフィルムカメラで夜間撮影をこなす彼女が現像に失敗したという見え透いたウソをついたのを久美子はさすがに察知したようですが、黒江真由という北宇治高校吹奏楽部史上最大最強の慈愛に満ちたダークサイドが今後どのような行動に出るのかが、後半の大きな鍵になるでしょう。黒江真由が北宇治を本気で好きになるために本気を出す、その結果、北宇治がどうなろうとそれはお前らが始めた物語だろという現実を突きつけてくるんじゃないかと予想できて、さらに胃が痛くなっていますが…




そういうのはおいといて、けんざきりりかちゃんはいつもくねくねしててとてもよいですね。




次回はついに折り返し、アクトパル宇治での合宿と関西大会へのオーディション結果発表が待ち構えていますが、心の準備をしておきましょう。

そして、次の曲が始まるのです。
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