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2024/04/06

TAKA"RRR"AZUKA 〜宝塚歌劇星組公演 『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』で最初から感極まった話

映画『RRR』をワタシは以下のように評しておりました。


それがまさか本当に宝塚歌劇で舞台化されるとは思いませんでした。そのニュースを聞いてすぐ公演のチケット確保に動いたものの、あまりの人気ゆえか運に恵まれず、劇場で観劇することは無理かと諦めかけた矢先、千秋楽を映画館のライブビューイングで見ることができるというお話を伺い、後先考えずチケットを買いました。

これで宝塚歌劇を見るのは(今回はライブビューイングですけども)三度目、二度あることは三度ある三度目の正直とも言いますか、とにかくワタシにとって「2022年に劇場で見ると一生自慢できる三本の映画のひとつ」(他はトップガンマーヴェリックTHE FIRST SLUM DUNK)と感じるほど思い入れのある作品がモチーフなので、これまで以上に期待が高まった状態でスクリーンに対峙したわけです。

その結果、どうなったか。
(公式サイトより画像を引用しました)



開始三秒で号泣。大の男が、いい歳こいたおっさんがだよ。スクリーン越しに見える舞台上のそれは紛れもなく『RRR』で、ワタシは映画と全く同じように圧倒されたまま、あらゆる場面、あらゆる立ち振る舞い、あらゆる歌とダンスに号泣して、気づいたら大団円を迎えておりました。

こんな調子だったので、以前のような(努めて冷静に振る舞ったつもりのいつもの調子の)レポートは書けません。思考が飛ぶというのはこういう体験のことを言うのだと、久しぶりに実感しております。

さて、もうひとつの演目『VIOLETOPIA』を終え、星組の皆さんが勢揃いしてごあいさつされ、今回をもって退団される方々のご紹介がありそれぞれの方が感謝の言葉を述べられ、観客の皆さんの温かい拍手が鳴り止まず何度もカーテンコールがあったなかで、どなたが仰ったか忘れてしまったのですけれど、こんな言葉を発せられました。

「この『RRR』の舞台で国境を超え、そして性別を超え」



『RRR』は帝国の圧政に苦しむ民衆からヒーローが立ち上がり皆を導く物語です。
それを女性だけで構成された宝塚歌劇が舞台化に挑んだわけです。

物語のターニングポイントのひとつ、帝国に立ち向かうきっかけとなったダンスは、皆さんよく覚えていらっしゃることでしょう。



このダンスを、女性だけで、いや性別など関係なく、一糸乱れぬまま、生の舞台で踊り切る姿を日本で見られると、誰が想像できたでしょうか。

宝塚歌劇のこのような公演は連日のように続くと聞きます。これまで(たった二度ですが)見た限りでも、そのダイナミックさや激しさには目を瞠っていたのですが、"ナートゥ"の肉体的負担は想像するに余りあります。それでも皆さんは歌い切り、踊り切り、演じ切ったのです。

そして映画『RRR』のこのシーンは、ウクライナにある宮殿をロケ地として撮影されたそうですが、2024年の現在、その宮殿は映画とは真逆の無惨な姿になってしまったと伺いました。だからこそ、「帝国に立ち向かうきっかけとなった力強いダンスを日本の女性たちが性別を感じさせず踊る」その意味を、涙を流し溢れる嗚咽を止めるため歯を食いしばりながら考えてしまいました。



最後に舞台袖から出てこられた礼真琴さんが、こんなようなことを仰りました。

「我々は世界で一番長く本気で"ナートゥ"を存じております」



愛するもののために。
それぞれの誇りのために。
自らが信じるものを守るために。

これからもやっていきましょう。

めんどくさい(ときどき)映画おじさんからは以上です。

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